骨粗鬆症と二次性骨折チェックシートで予防
骨粗鬆症と二次性骨折予防について
生活に密接な整形外科
仕事や生活様式に関係なく、作業やデスクワークなど全ては体を動かすことになります。高齢になると、そのような運動能力が下がると共に骨や筋肉の再生能力も下がってきます。それらの能力低下のスピードを落とし、またそれによる体の故障や事故を防ぐさまざまな工夫や提案も当院では院内研修でスタッフで情報共有し提案し、地域のみなさまに提供できればと思っております。
渡辺病院の整形外科院内研修からの提案
9月20日に渡辺病院副院長(整形外科医師)那須孝邦医師による「骨粗鬆症と二次性骨折予防について」の院内研修会が行われました。看護部はもとより、リハビリテーション課・検査課・薬剤課・放射線課・栄養課など、骨粗鬆症の診療に関わる全部署の職員や事務部まで100名ほどが受講しました。 |
▲整形外科 那須孝邦医師 |
高頻度の骨折をどう防ぐか
高い頻度で起こる私たちの身近の骨折の恐さ。そしてそれを防ぐためのみなさまへの提案が院内研修で話し合われました。そんな研修会の内容をわかりやすくみなさまににもご紹介します。
まずは評価表でチェック!
下記の表に、身体能力が下がっておこる現象をまとめでみました。みなさまも下記のような状況を経験した事はありませんか?「転倒リスクの評価表」を添付しますので、一度チェックしてみませんか?
転倒リスクの評価表
評価表のチェック個数が少しでもあれば、身体能力の低下があるかもしれません。
転倒リスクのチェック数はいかに!
|
項目 |
はい |
いいえ |
1 |
つまづくことがありますか |
1点 |
0点 |
2 |
手すりにつかまらず階段の昇り降りができますか |
0点 |
1点 |
3 |
歩く速度が遅くなってきましたか |
1点 |
0点 |
4 |
横断歩道を青のうちにわたりきれますか |
0点 |
1点 |
5 |
1キロメートルくらい続けて歩けますか |
0点 |
1点 |
6 |
片足で5秒くらい立つことができますか |
0点 |
1点 |
7 |
杖を使っていますか |
1点 |
0点 |
8 |
タオルを固く絞れますか |
0点 |
1点 |
9 |
めまいやふらつきがありますか |
1点 |
0点 |
10 |
背中が丸くなってきましたか |
1点 |
0点 |
11 |
膝が痛みますか |
1点 |
0点 |
12 |
目が見えにくいですか |
1点 |
0点 |
13 |
耳が聞こえにくいですか |
1点 |
0点 |
14 |
物忘れが気になりますか |
1点 |
0点 |
15 |
転ばないかと不安になりますか |
1点 |
0点 |
16 |
毎日、お薬を5種類以上飲んでいますか |
1点 |
0点 |
17 |
家の中で歩く時、暗く感じますか |
1点 |
0点 |
18 |
廊下、居間、玄関によけて通る物が置いてありますか |
1点 |
0点 |
19 |
家の中に段差はありますか |
1点 |
0点 |
20 |
階段を使わなければなりませんか |
1点 |
0点 |
21 |
生活上、家の近くの急な坂道をあるきますか |
1点 |
0点 |
合計 点
さあ、合計点は何点でしたか?ちなみにコラム記事担当の私は9点でした!!
チェック数が少しでもある方「私は大丈夫かしら」と心配になられた方は一度、渡辺病院の整形外科の受診で身体能力の確認はいかがでしょう。私も那須先生に相談してみよう・・・
骨粗鬆症
「骨粗鬆症」とは
骨量(骨に含まれるカルシウムを中心としたミネラルの量のこと)が減少し、かつ骨組織の微細構造が変化するために骨がもろくなり、骨折しやすくなった病態です。
骨は活発に骨吸収と骨形成の代謝活動を繰り返し、バランスが保たれていますが、加齢などによる代謝低下で、そのバランスが破綻し骨量が減少します。
骨粗鬆症の骨折
骨折は骨粗鬆症に罹患している場合が多く(脆弱性骨折【ぜいじゃくせいこっせつ】と言います)、特に初発骨折後1〜2年はさらに多くの骨折が生じるリスクが高いと言われています。(二次性骨折)
骨粗鬆症骨折の特徴
脆弱性骨折は自分の体重に背骨が耐えきれなくなり、気づかないうちに背骨がつぶれて起こる骨折の事です。次に多いのが「太ももの付け根の骨折(大腿骨骨折)」です。これは日常生活動作を最も悪化させる骨折で、手術も必要になります。
一度骨折すると、次の骨折が発生するリスクが数倍高くなります
転倒リスクを生活から排除
次に記したことは自宅でできる「転ばないための努力」です。あなたの自宅をもう一度見まわしてみませんか。
- カーペットや敷物など、室内の段差をなくす
- 滑りやすい床や履物に気を付ける
- 足元を明るくする
- 足元にあるコードや小物などを片付ける
- 動きやすい服装で過ごす
訪問リハビリにまで至る症例データ
様々な疾病から訪問リハビリが必要となった利用者様の内訳
- 12.6%:高血圧
- 31.4%:脳卒中
- 9.4%:脊椎・脊髄障害
- 15.5%:関節症・骨粗鬆症
- 18.4%:廃用症候群
- 26.6%:骨折
リハビリなど渡辺病院の対応
リハビリテーション課でも訪問リハビリ・通所リハビリを実施いたしております。見学・ご相談など随時受付ております。
(担当:リハビリテーション課 太田)
整形外科整形外科の診療範囲は広く、多岐にわたります。治療目的は運動器の… |
リハビリテーション課主として整形外科疾患の保存および術後や脳血管疾患、廃用症候群の… |